たいせつな・・・
猫を抱きしめている時、なでているとき、「たいせつな、たいせつな、たいせつなアトム」 「たいせつな、たいせつな、たいせつなキキ」と心でつぶやきながら、包み込むように、抱きしめても抱きしめても、抱きしめきれない。あまりにも力を入れると壊してしまいそうで、たいせつなたいせつな、宝もの。
そんなことを想っていると、時々ふと思い出すことがある。
小学5年生の時だった。『私の大切なもの』と言う題で作文を書くように宿題が出た。私は考えに考え一応書いて提出した。
私は双子なので同じ宿題を提出した姉がいる。姉は勉強が良く出来た。案の定姉の作文が優秀で先生に選ばれ、みんなの前で読むことになった。その時、「いったい姉は何をたいせつに思っているのだろうか」と、ワクワクして聞いていた。
「私の大切なもの、それは命だ・・・・・・・」と、始まった。 『そうか!!その手があったのか』と私は心の中でつぶやいた。私は『もの』というと、物質だけにとらわれていたのだ。そんなことに気を取られて、いや感心しすぎて、肝心な作文の中身をすっかり聞きそびれていた私だった。
「どうしてこういうふうに物事を考えられるんだろう」 と姉が不思議でしょうがなかった。どうして私は一生懸命大切なものを探し、考えたあげく『鉛筆削り』にしたんだろう。
キキの大切なおもちゃ。ここは冷蔵庫の角だ、ここをおもちゃ置き場にしたようだ。今もここにこの2つが置いてある。
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